電動車椅子サッカーってどんなスポーツ?
電動車椅子で行なうサッカー競技は障害者スポーツの1つで、電動車椅子に取り付けられたフットガードを用いてボールを蹴ります。
アメリカ・カナダなどで「パワーサッカー」と呼ばれていて、重度身体障害者のスポーツとして1980年に誕生しました。
サッカーのFIFAに該当するFIPFA(国際電動車椅子サッカー連盟)という統括団体もあります。
競技はバスケットボールコートを使用し、1チーム4人で行われます。
電動車椅子のフットレストに車のタイヤを半分に切ったフットガードを装着し、直径約50cm程のボールを蹴ります。
試合時間は前後半でそれぞれ20分ずつで、時間内に得点した数が多いほうが勝利となります。
電動車椅子サッカーは、普通のサッカーのように次々にパスで繋いでいく
と言うよりも、電動車椅子でボールを押し合い奪い合いながら、体当たり
でゴールに押し込むという、ラグビーのような過激なスポーツです。
それゆえに、あの重たい電動車椅子がひっくり返ることさえあります。
電動車椅子サッカーの醍醐味は、なんと言っても華麗な操作です。
スピードは国際ルールで時速10km以下と決められていますが、
体感速度はまるで自転車のようなスピード感です。
電動車椅子の前に取り付けたフットガードでボール(直径32.5cm)を巧みに
コントロールし、前・後進や回転してのパスやシュートなどで迫力あるプレーを展開します。
基本的な競技規則はサッカーと似ていますが、ボールを保持している
攻撃側の選手1人に対して、相手チームの選手が2人以上、
半径3メートル以内のエリアに入ると反則となります。
日本での活動は、1982年に大阪市身体障害者スポーツセンター
に勤務していた山下氏の手によってパワーサッカーをヒントに考案・発足されたのが始まりとなっています。
自分で車椅子を動かすことのできる人のスポーツはバスケットボール
など数多くありますが、電動車椅子を使用しなければ行動出来ない人
にとってスポーツはほとんど無縁の世界でした。
そのような重度の障害を持つ人でも参加でき、楽しむことが出来るのが
この電動車椅子サッカーなのです。