電動車椅子サッカーを伝えた男

毎日新聞の記事による、フットボールの母国に「足を使わないフットボール」を伝え、広めた日本人男性がいるそうです。

それは、東京都在住の高橋弘さん、40歳。

日本電動車椅子サッカー協会の会長です。

幼児教室の講師だった17年前、交通事故に遭われました。

首から下が自由にならず、握力や腕の力を要するマラソンやテニスはできない身体になりました。

そして「これしかない」と始めたのが電動車椅子サッカーだったそうです。

仲間を誘ってチームを作り、ついには日本一になりました。

2001年、日英両国の文化交流を図る外務省のイベントでロンドンに。

競技のデモンストレーションを行い、2年後には請われて再び渡英し、2カ月間に及ぶ指導にあたりました。

種まきのかいあってイングランドのチーム数は今では日本をしのいでいます。

元々はフランスで重度の身体障害者用に考案されたスポーツ。

スピード感にあふれ、電動車椅子を旋回させてのシュートもあります。

プレースタイルにお国柄が出るといい、パスをつなぎにつなぐのがフランスなら、イングランドはボールを奪うべく電動車椅子をガンガンぶつけるタックルが特徴だそうです。

米国での大会に参加した時のこと。対戦チームに人工呼吸器を装着した米国人選手が数人いました。

日本ならば本人が望んでも周囲が試合出場を止めるはず。

障害があっても好きなスポーツをしたい、その楽しさもリスクも自分が引き受ける・・彼我の文化の違いを感じたといいます。

パリで来月2日に開幕する第2回ワールドカップに向け、日本代表チームが29日、飛び立ちました。

前大会の4位を上回る成績をのこせればと願わずにはいられませんね。