光で動く電動車いす

朝日の記事によると、新潟県の長岡技術科学大学工学部の中川匡弘教授らが、光を用いて電動車いすを制御する技術を開発したそうです。

光で人間が喜びや怒りなど感性を想起した際の脳の変化を計測し、それを基に電動車いすを動かすとのことです。

中川教授はすでに人間の脳波で車いすを動かす技術を開発しているが、光での計測は、脳波計測に比べ、環境ノイズに影響されにくいなどの利点を持つと言っています。

同教授は医療、福祉分野などでの応用を期待しているとのことです。

具体的には、近赤外光を頭皮から照射して、血液中の酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンの濃度変化を計測する光トポグラフィー装置を用いるそうです。

従来の光トポグラフィー装置は大型だったため、車いすの制御には不向きだったのですが、小型で携帯できる装置の登場により可能になりました。

被験者が、一定の感性を想起した際の脳の変化を同装置で測定します。

「光感性フラクタル次元解析」と呼ばれる中川教授独自の手法でリアルタイムで感性を解析、出力し、車いすの駆動系に送ります。

「怒り」を想起した場合は前進、「喜び」を想起した場合には後進といったように、車いすの動きをあらかじめ設定しておくことができます。

設定さえしておけば、車いすのコントローラーを操作しなくても、想起しただけで動かすことが可能だそうです。

だんだんとSFの世界のようなことが、現実の世界で実現されていきますね。

人間にとってプラスになる技術は大歓迎です。

これからも車椅子を利用する方のためになるような最新技術がどんどん開発されるといいですね。